LGBTが登場したりテーマとなった
日本のテレビドラマおすすめ6選を紹介します

  • 2024.12.28

エンタメ

「LGBT」という言葉はニュースやバラエティ番組だけでなく、ドラマでもテーマとして取り上げられることが多くなりました。

2018年に流行語大賞にノミネートされた『おっさんずラブ』や主題歌が大ヒットした『逃げるは恥だが役に立つ』など、ポピュラーな作品でもLGBTが登場するようになり、最近では1クールで2~3作品はLGBTが描かれているように感じます。

そこで今回は、LGBTのキャラクターが登場する日本のドラマを紹介。
当事者目線で共感できる作品や、セクシュアルマイノリティの多様な側面を描いた良作が次々に登場するなか、ぜひ観ておきたい6つの作品について取り上げました。

1.女子的生活

NHKドラマ『女子的生活』は、2018年1月に放送されました。
主人公の小川みきは、男性として生まれましたが、性自認は女性のトランスジェンダーであり、恋愛対象も女性です。

みきはアパレル業界で働きながら“女子的な生活”を満喫していましたが、仕事や人間関係で次々とトラブルに見舞われることに。
しかし、彼女は強いメンタリティでこれらの問題を乗り越えていきます。

このドラマは、現代社会で女性が直面する理不尽な問題や、セクシュアルマイノリティが抱えるカミングアウトの課題をリアルに描写しています。

志尊淳さんが演じる美しい女性の姿をしたトランスジェンダーの小川みきが、同僚や旧友と共に忙しくも充実した日々を送るなかで、人々との関わりや恋愛、そして自身のアイデンティティについての葛藤が描かれています。

現実の問題を反映したこのドラマは、多様な観点から視聴者に考えさせられる内容となっています。

2.おっさんずラブ

Twitter(現X)世界トレンド一位を獲得したり、ユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされたりと大きな反響を呼び、社会現象を巻き起こしたドラマです。

田中圭さん主演の『おっさんずラブ』は2018年に初めて放送されました。
普通のサラリーマンである春田創一は、上司である黒澤部長(吉田鋼太郎)と、イケメン後輩の牧凌太(林遣都)の告白を受け、人生が一変。

セクシュアリティに対する固定観念が揺らぎ、自分自身を見つめ直していく姿が描かれる本作は、恋愛や結婚に対する価値観、セクシュアリティの多様性をテーマにした作品となっています。

2019年に放送されたSeason 2では、春田が転職し、新たな職場で再び恋愛のトラブルに巻き込まれます。

新たな登場人物たちが加わり、物語はさらに複雑で波乱に満ちた展開を見せます。
春田の成長や恋愛模様に注目が集まりました。

そして、2024年には待望のSeason 3が放送。
シリーズ完結編となり、春田の人生における最終的な選択が描かれます。

これまでのキャラクターたちの関係性が再び交錯しながら、感動的なクライマックスとへ向かいます。このドラマはコメディタッチで描かれながらもLGBTの問題や愛の多様性を深く考えさせられる作品として多くの視聴者から支持を得ました。

映画化もされ、その人気は不動のものとなっています。
愛の形を考えさせられる名作として、これからも多くの人に愛され続けることでしょう。

3.きのう何食べた?

2019年に放送された話題のドラマ『きのう何食べた?』は、ゲイカップルの日常が視聴者の心を掴み、Season 2、スペシャル版、映画といった展開を見せるほど人気を博しました。

西島秀俊さんが演じる弁護士の筧史朗と内野聖陽さんが演じる美容師の矢吹賢二が日々の生活を共にしながら手料理を楽しむ姿が描かれており、その温かな食卓風景に多くの人が癒されています。

2LDKのアパートを舞台に二人の関係性やゲイが抱える問題、家族との関わり方などゲイカップルの日常をリアルに描きながらも、毎回、史朗が作る料理のシーンが登場し、料理ドラマとしても高い評価を集めています。

2021年の映画版では二人の関係が一層深まる過程や、新たな試練に立ち向かう姿が描かれ視聴者に感動を与えました。

2023年に放送されたドラマ版Season 2では更なる関係の深化と共に、新たな問題や挑戦が二人に降りかかります。料理のシーンは引き続き詳細に描かれ、二人の絆を象徴する重要な要素となっています。

『きのう何食べた?』は、ゲイカップルについての理解を深められる内容であるとともに、食事を通じた心温まるストーリーが魅力の作品。

ゲイが抱える問題や、彼らの家族との向き合い方も共感を呼び、多くの視聴者に愛される名作となっています。

4.恋せぬふたり

『恋せぬふたり』は、恋愛やセックスに興味がないアロマンティック・アセクシュアルの兒玉咲子(岸井ゆき)と、同じ性的指向を持つ高橋羽(高橋一生)の物語。

恋愛や性的関係を持たない人々の視点から描かれ、家族や社会の中での居場所を模索する姿がリアルに描かれています。

咲子は、親友とのルームシェアが破談になったことをきっかけに自分の性格に向き合い、羽との再会を通じて“家族(仮)”としての生活を提案します。

彼らの同居生活が始まると、咲子の家族に恋人同士として紹介する場面や、周囲からの誤解や偏見に直面するシーンが描かれます。特に、咲子と羽がアロマアセクであることを告白するシーンは、視聴者に多くの共感を呼びました。

セクシャルマイノリティの多様な生き方を尊重し、自己理解と他者との関係性の重要性を描いた秀逸な作品ですので、まだ観ていないという方はぜひご覧になってください。

5.腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。

NHKで放送された『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』は、LGBTをテーマに、金子大地さん演じる主人公の葛藤と成長を描いた青春ストーリーです。

男子高校生の安藤純(金子大地)はゲイであることを隠し、学校では普通の男子高校生として過ごしています。そんな純の前に現れるのが、BL(ボーイズラブ)好きの腐女子である三浦紗枝(藤野涼子)です。

三浦さんは純の趣味に気づき意気投合し、二人の友情が深まっていくのですが、三浦さんは純に恋心を抱き、告白することに。三浦さんの気持ちと、純の“ゲイである自分”という現実との間で葛藤が生まれ、二人の関係は複雑になっていきます。

繊細なテーマを扱いながらも温かくユーモアを交えたストーリーが話題になりました。

このドラマは、リアルで共感を呼ぶストーリーや登場人物たちの心の葛藤を描いたことで多くの視聴者から絶賛されました。

視聴後にLGBTに対する理解が深まったという声も多く聞かれ、純が自分の気持ちを隠しながらも、三浦さんとの関係を築いていく姿は多くの共感を呼びました。

原作は浅原ナオト氏の小説『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』であり神尾楓珠さんと山田杏奈さんというキャストで映画化もされています。

ドラマと映画、それぞれに異なる魅力があるので両方を見比べてみるのもおすすめです。

6.ラストフレンズ

長澤まさみ、上野樹里、瑛太、錦戸亮といった豪華なキャストが出演する『ラストフレンズ』は、DV、セックス恐怖症、トランスジェンダーなど、さまざまな生きづらさを抱える人々と、それを乗り越えていく姿を真正面から描いたドラマです。

恋人の宗佑(錦戸亮)からDVを受け、職場や家のどこにも居場所がない藍田美知留(長澤まさみ)、学生時代から美知留に恋心を抱きながらも性同一性障害であることを誰にも言えずにいる岸本瑠可(上野樹里)、そして過去のトラウマからセックス恐怖症に悩む水島タケル(瑛太)。

悩みを抱えた3人がシェアハウスで共同生活を始めることから物語は展開します。
彼らは共に暮らす中で、人と人との関わりの大切さを学び、前向きに生きようとします。

このドラマは、LGBTが少しずつ世間に広まり始めた時期の作品であり、多くの人に自分のセクシュアリティについて考えるきっかけを提供しました。

重いテーマを扱いながらも希望や再生を描いている点で深く心に響く作品として多くの視聴者から絶賛され、また主題歌である宇多田ヒカルの「Prisoner of Love」もドラマの感情的なトーンをさらに引き立て大ヒットしました。

まとめ

話題になった名作ドラマから最近のものまで、様々な作品をご紹介しました。
LGBTを中心に据えることで注目を集めたものや、日常の一部として自然に描かれるものまで、多岐にわたります。

日本のLGBT関連ドラマは、視点の広がりと共に多様性を尊重する風潮を育んできました。

これらのドラマが放送されることで視聴者に多様な性の在り方を考える機会を提供し、正しい知識を得るきっかけとなることを期待しています。

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