ゲイの婚約指輪事情について。
どんなタイミングでどんなリングを選べば良いか
性別の垣根を越えて愛する人から愛する人へ婚約指輪を送る。とても素敵なことです。
最近は同性結婚やパートナーシップにスポットライトが当たることも多く、必然的にエンゲージリングに興味を持つ方が増えてきました。
ありそうでなかったものが今後普通になってくるかもしれない。今回は男性同士の婚約指輪を選ぶコツや注意点などを解説していきます。
世界的流行?LGBTQ界隈のエンゲージリング事情を徹底解説
日本の宝飾業界がLGBTQに熱視線を送っているというのは決して間違いではありません。
過去にはティファニーが大々的にLGBTQ向けのエンゲージリングの広告を出した事で話題になりましたが、同性結婚が非合法の日本でもエンゲージリングを送る方が増えています。
ここではそんな日本のゲイカップルに送る婚約指輪事情を考察していきたいと思うので、ぜひ参考にしてみてください。
日本でも同性カップルに向けたペアリング需要が高まっている
単なるペアリングから、より心理的な結びつきが大きな特別なリングを送り合うゲイカップルが多くなりました。
残念ながら結婚の法整備が整っていない為、結婚の前に婚約指輪、式で結婚指輪を送り合うという伝統的な手段は踏みませんが、日本の宝飾業界におけるLGBTQカップル向きの婚約・結婚指輪市場が賑わいを見せています。
低迷する宝飾業界にとっても、今度議論が続く同性婚、シビルユニオン(結婚に似た「法的に承認されたパートナーシップ関係」)を見込んだ市場開拓は大きな可能性を秘めているとも言えます。
いくつかのブランド、宝飾店では外部講師を呼んでダイバーシティ教育を行うところも出てきています。
いかにLGBTQ界隈へのアプローチに興味と大きな期待があるかはもはや明白と言えるでしょう。
フルオーダーリングが圧倒的人気
婚約指輪の値段は給与の3倍というデビアス社による刷り込み、そしてダイヤモンドを贈らなければならないという強迫観念にとらわれることなく、自由度が高くオリジナル色が強い婚約指輪がゲイ男性に支持されています。
各宝飾店でゲイ向け、ビアン向けというカテゴリ分けは勿論されていないですが、傾向として男性は婚約指輪をペアリングとして選ぶ方が多いようです。
必然的にシンプルな地銀タイプが日本では人気ですが、お二人の価値観、好み、予算に準じたオーダーリングを作ってみてはいかがでしょうか?
重ねるとハートやフラワーモチーフなどが浮かぶ彫金が入るタイプもあればバンド内部に互いの誕生石にイニシャルや好きな言葉を手彫り、レーザーで彫刻することも可能。中には飼っているペットを彫刻したり、互いの家紋を組み合わせた紋章をシグネットリングとしてオーダーする本格的なものもあります。
小さなジュエリー工房にてセルフメイドで作るのも素朴で素敵ですし、コスパ度外視で海外有名ブランドにオーダーするのも人気です。
いずれにせよ二人の想像力と趣味指向を存分に活かせるので婚約指輪選びはぜひ二人でアイデアを絞り、後悔のないものを選んでいきましょう。
レアメタル製リングが人気を集める理由
タンタル、イリニウムにルテニウム、正直聞きなれない単語ですが、全て金属のことです。
これらはレアメタルと呼ばれ、主に工業用に利用される金属ですが、ここ10年でレアメタルを使ったリング制作が人気を博しています。
レアメタルを使うことでオリジナリティーは抜群に上がります。
またチタニウムやジルコニウムなどは酸化被膜と呼ばれる表面の酸化による色干渉が起き、被膜の厚さと素材の違いにより、赤、黄、青、緑、紫など様々なグラデーションカラーを見せるようになります。
欧米などでこれらのレアメタルリングがゲイカップルに人気の訳、それは酸化被膜がLGBTQのシンボルマークレインボーを連想させるからなのです。
これらの被膜は時間が経つにつれ経年変化を見せますが、再度被膜を被せることもできます。
アレルギーを起こしにくい新素材ですが、欠点としては加工技術が難しく、硬度が高いためサイズ変更がしにくく、そして高額な加工費用がかかること。
またレアメタルと言ってもゴールド、プラチナのような市場価値は皆無なので、それらも考慮に入れながら選択肢に加えてください。
オンライン完結のリング選びも選択肢に入れよう
居住地区によってはあまりLGBTQに寄り添った接客や商品案内ができないケースもあります。
しかしながら最近は国内、国外ブランドの多くがウェブショップを充実させており、ゲイカップルの婚約指輪を多く手掛ける宝飾品店の商品も、オンラインでの相談を通して購入が出来るようになりました。
フルオーダーは難しい場合がありますが、既成の枠が決まったセミオーダーでは柔軟な希望をオンライン上のみのやり取りで注文~納品まで完了できるので、多忙なゲイカップルの方も利用を考慮してみてはいかがでしょうか。
婚約指輪を渡す時期、タイミングはいつが適切か
付き合い始めてすぐに婚約指輪を送る方はあまりいないと思いますが、いくら偶然を運命に感じてしまっても、大切なメモリアルリングを渡す時期は慎重にならなければなりません。ここではそんな指輪選びのタイミングを考えてみましょう。
節目を記念したタイミングを図る
男女カップルの場合は目に見えた一つの節目である婚約、結婚に向けて駒を進めることができますが、法的な結婚制度ができないゲイカップルの場合は流動的なタイミングになります。ここで例を挙げましょう。
- 交際後一年、三年、五年などの節目
- 旅行先でのプロポーズ
- 親や親せきに紹介した後
- 同棲を初めた時
- パートナーシップを結んだ時
などが挙げられますが、あくまで渡す時期はカップル次第であり正解はありません。
ただしゲイカップルは熱しやすく冷めやすい傾向があるので、短期の交際後ではなく、互いの長所短所を全て把握し、問題ないと思った時期を目安にするといいかもしれません。
なおペーパー上は何も変わりませんが、形としての結婚式を挙げるゲイカップルも最近は増えているので、結婚式前に婚約指輪を渡すのも、また二人で一緒に選んでみるのも素敵かもしれません。
婚約指輪を選ぶ上での注意点とは
婚約指輪を購入する場所、ブランド選びは非常に大切になってきます。
一生に一度というわけではありませんが、気持ちと気持ちを繋ぐリングです。
ここではまとめとして、エンゲージリングを購入する際の注意点を解説していきたいと思います。
お店、ブランドの理解が需要を超えられない現状も
いくら宝飾業界からの熱視線が多くとも、実際LGBTQの知識が伴わないスタッフがいたり、白い目線でカップルを見下したりするようなお店も少なくありません。
関心や興味が徐々に伝播しても、やはりダイヤモンドリングは男性から女性に贈るもの、これが婚約指輪市場の揺るがぬ根底になっているのも事実です。
下調べをせずに小売店、ブランド店などに入ると理解されない場合もあるので、ダイバーシティ教育に力を入れている企業や接客に慣れている店舗を選べるのかが婚約指輪選びの大前提になってくるので用心が必要です。
忘れがちな金属アレルギーの怖さ
婚約指輪では宝石、デザインに地金を重視する割に、金属アレルギーの有無に無知な方は少なくありません。
シルバーは元々婚約・結婚指輪に適さない素材ですが、例えばプラチナ、ゴールドであっても100%ピュアなままでは加工されず、金属の強度を高めるためにも、複数の金属を混ぜ合わせて(割金といいます)宝飾品へ加工します。
つまり混ぜ合わせる金属、例えばニッケル、銅やシルバーなどにアレルギーを持っている方は、プラチナ、ゴールドと表記があったとしても、割金として使われる金属にアレルギーを示す可能性があります。
金属の純度が高ければ割金のパーセンテージは少なくなり安全度が増しますが、リング購入前には二人で皮膚科のパッチテストを行い、どの金属にアレルギーがあるのかを事前にチェックしましょう。
なおサージカルステンレス、タンタルやジルコニウムなどはアレルギーを持つ方にとって、推奨できるオプションになり得るので、それぞれのメタルの特色や好みを踏まえた上で婚約指輪選びの選択肢に加えるといいでしょう。
まとめ
人の数だけ、カップルの数だけ婚約指輪選びのオプションはあります。
ゲイカップルに婚約指輪は不要と思われる方もいると思いますが、一つの区切り、ケジメとして二人で贈り合うのはとても素敵なことですよね。
ゴールドにプラチナ、レアメタルなど、お互いの仕事環境に好みを反映させたフルオーダーも良し、ティファニーにグランサンクの鉄壁ラインのリングを選ぶも良し。大切なのは二人が長く、そしてカジュアルに身に着けられることです。
また時間が経ち二人が成長した時にも堂々と着用できる、まるでいぶし銀のようなシックでこだわり溢れるリングを選んで、エンゲージリングと共に人生を歩んでいきましょう。
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